委任状の書式

 公正証書は、公務員である公証人が作成する公文書です。無効な委任状(例えば、委任事項が白紙の場合、実印でない場合、印鑑証明書が3か月を超えるものの場合など)では、公正証書を作成することができません。有効な委任状書式は、公証役場のホームページが紹介する委任状書式を用いると安心です。委任状の書式に所定事項を記入し、公証役場から送付された公正証書の案文(又は当事者が作成した契約案文が公正証書の案文内容と同趣旨であればこれでも大丈夫です。)を添付し、実印で割印(契印)又は袋とじの方法(下記に図解します。)で委任状と一体化させます。一体化の方法には、① 契印だけによる方法と② 袋とじによる方法があります。①、②どちらでもよいのですが、契印による方法は、枚数が比較的少ない場合(数枚程度)に用いられ、袋とじによる方法は、枚数が比較的多い場合(数枚を超える場合)に便利です。

 委任状に用いる印影や契印は、必ず実印(法人の場合は法人実印)で押捺します。印鑑登録証明書(法人の場合は法人印鑑証明書)を添付します。委任状は、発行日から3か月間が有効期間です。経過した場合は、必ず取り直してください。

 委任状と公正証書の案文とを一体化させる例を動画(youtube)リンクさせておきます。
 動画では、委任状の対象が「定款」ですが、これを「公正証書案文」と読み替えてください。また、契印を押捺する場所は、動画では、ホチキス側の真ん中です。これでも結構ですが、公証役場の委任状は、用紙上側の真ん中が多いようです。(一体化させればいいので、契印を押捺する位置に決まりがあるわけではありません。)

 なお、少し見にくいのですが、動画の下に委任状と公正証書案文との一体例を図示しました。

 

委任状の書式

公正証書作成委任状の書式例(PDF)

委任状(個人用・強制執行認諾文言あり)の書式はこちら

委任状(個人用・強制執行認諾文言なし)の書式はこちら

委任状(法人用・強制執行認諾文言あり)の書式はこちら

委任状(法人用・強制執行認諾文言なし)の書式はこちら

委任状(法人個人連名用・強制執行認諾文言あり)の書式はこちら

委任状(法人個人連名用・強制執行認諾文言なし)の書式はこちら

 委任状の書式に決まりはありませんが、①誰が、②だれに、③何を委任するのかは明確にする必要があります。つまり、①委任する人(本人)を明確にすること、②受任者(代理人)を明確にすること、③どのような公正証書を作成するのか(添付する案文内容を公正証書にすること)を明確にするのかが明らかになっていなければなりません。公正証書の場合、白紙での委任状は認められていません。

 上記委任状の「強制執行認諾文言あり」とは、公正証書に強制執行認諾文言を含める場合の委任文言です。ただし、委任状本体にこの文言がなくとも、引用する案文の中に強制執行認諾文言があれば、これを含めた文書の内容を公正証書にする権限を与えるわけです。よって、強制執行認諾文言ありの委任状も強制執行認諾文言なしの委任状でも大きな違いはなく、文言の好みの問題ということができます。